2009年7月7日火曜日

音楽の捧げもの

“ルターからバッハへ” 茂木健一郎著 2009年5月1日初版
バッハを歌っているものとして、興味があり、この本を求めてしまいました。
写真は、J.Sバッハが、1723年~亡くなる1750年までの27年間を過ごした「聖トマス教会」。
聖トーマス教会(Thomaskirche)は、ライプツィヒに所在するルーテル派の教会。 ヨハン・ゼバスティアン・バッハトーマスカントルを務め、また彼の墓があることでも知られる。

初めに、著者が、若かりし頃、フリードリッヒ・ニーチェの哲学に影響を受けたとあります。
★「冷徹なる世界認識から発せられる精神エネルギーの超新星爆発」ともいえるニーチェの思索は、さまざまなことに悩んだ思春期の「青ざめた時代」に大いなる慰めとなった。(P18)

私も、若かりし頃、いろんな事に悩んでいた頃、ニーチェの「ツァラトゥーストラはかく語りき」を良く読んでいました。なんだか頭がすっきりとした記憶だけが残っています。
ますます興味深く感じ、一気に読み進んでいきました。

この本は、2009年5月の連休のころ、東京で開催された、「ラ・フォル・ジュルネ」のオフィシャル・ブックになっていて、会場でも販売されていたらしいです。テーマが「J.Sバッハ」だったからでしょう。

著者が、2009年1月に、大作曲家J.Sバッハの素顔を求めて、真冬のドイツを訪ねた時のこと。
初日はミュンヘンを経由してライプツィヒへ。そのままミニバスでワイマールへ。
2日目はバッハ生誕の地アイゼナッハを訪問(ワイマール泊)。
3日目は青年バッハの最初の活動の地アルンシュタットなどを訪問(ワイマール泊)。
4日目はバッハ終焉の地ライプツィヒを訪問(ライプツィヒ泊)という旅程。

ルターと200年ほど経って生まれたJ.Sバッハとのつながりを感じて次のように記している。
★マルティン・ルター(1483年~1546年)。ヨハン・セバスチャン・バッハ(1685年~1750年)。ドイツの文化史上の二人の偉人は、200年近くの時によって隔てられている。それでも、ルターとバッハは、目に見えない絆で結びつけられている。(P57)
★ドイツでは、パイプオルガンと教会は一体のものです。そのことは、バッハの時代も、現代も変わりません。(P129)
★バッハの音楽は、ルターによる宗教改革なしでは成立しなかった。ルターからバッハへと、「魂のリレー」があった。 (ルターも教会の儀式における音楽の役割を重視した人で、ルター自身が、会衆によって歌われる「コラール」を作曲している)
★音楽は、音楽に留まらない。すべてはつながっている。
★私たちは、自然の中の生態系の豊かさを賞賛することを学んだ。教養の力も、同じこと。脳の中に、豊かな生態系ができる。(156頁)
★ルターがそしてバッハが抱いた美しい理想を、私もまた信じる。たとえそれが人間社会の現実によって裏切り続けられるとしても。(P171)
★そしてこの世に人類が存在する限り、さまざまな困難に足をすくわれながらも、精神の高みを目指す私たちの「魂のリレー」は続いていく。(P172)

 バッハが亡くなってから250年余りの時を経ている現代に生きる私たちも、か細いかもしれないけど、バッハとつながっていると思いたいものです。
松山バッハ合唱団でバッハの曲を中心に演奏活動をしていますので、バッハの音楽家としてだけでなく、人としての考えや偉大さを、その曲を通して触れさせてもらい感じることも多いのです。

今度、ドイツへ行くときは、バッハゆかりの地をゆっくりと訪ねてみたいと思いました。

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