2011年2月10日(木)
「宇宙は何で出来ているのか」----素粒子物理学で解く宇宙の謎 村山 斉著
第一章 宇宙は何で出来ているのか
宇宙という書物は数学の言葉で書かれている。
10の27乗、10のマイナス35乗の世界。
世界(素粒子研究と宇宙研究)はウロポロスの蛇。ーーーー広大な宇宙の果てを見ようと思って追いかけていくとそこには素粒子があり、一番小さなものを見つけようと追いかけていくと、そこには宇宙が口を開けて待っている。
宇宙の研究
1.物質は何で出来ているのか
2.その物質を支配する「基本法則はいかなるものか」
宇宙に行くことは大変なことです。しかし見るだけなら、もっと簡単に出来ます。こちらから行かなくても、向こうから地球まで届く「光」さえあれば、望遠鏡の性能をどんどん高めることで、どんなに遠くの星でも観察出来るのです。
太陽の吸収線スペクトルの黒い部分の線、黒いということはその色の部分だけ「光がない」ということ。正確にいうと、あるものに光が「吸収」されてしまう為に地球まで届きません。
その光を吸収しているのが「原子」です。原子の種類によって吸収する波長が異なるので、ある色の波長が黒くなっていれば、その原子が「ある」とわかる。
そして太陽から来た光のどの波長が吸収されているかを分析したところ、間違いなく地球上と同じ種類の原子が存在することがわかりました。
まさに光を「見る」だけで、太陽という星がなに出で来ているかが判明したわけです。
ニュートリノ
宇宙から届くのは光だけではありません。地球上には無数の粒子が降り注いでいて、それが宇宙の成り立ちを教えてくれることもあります。
例えば、「ニュートリノ」
2002年に小柴昌俊氏がノーベル賞を受賞したのですが、この粒子の存在が理論的に「予言」されたのは、今から80年ほど前のことでした。
のちに「ニュートリノ」と名付けられた粒子が「存在するはずだ」と考えられたのは、そうでなければ、ある現象が「エネルギー保存の法則」と矛盾するからでした。全ての物理現象は、その前後でエネルギーの総量が同じでなければいけないのです。ある現象が起きた時に、全体のエネルギーが増えたり減ったりしてはいけないのです。
宇宙から飛んで来たニュートリノを世界で初めて捕まえたのは、日本の「カミオカンデ」という観測装置でした。岐阜県神岡鉱山の地下1000mの深さに作られたカミオカンデは、3000トンもの水を蓄えたタンクと、1000本の光電子増倍管からなる巨大な装置です。
ニュートリノは、宇宙から大量に降り注いでいます。私たちの体は1秒間に何十兆個もニュートリノを浴びていますが、他の物質とはほとんど衝突せずにスルスル通り抜けてしまうので、見つけるのは至難の業です。しかし、カミオカンデは、1987年2月、大量に蓄えた水中の電子と衝突したニュートリノを検出しました。その数は、たった11個でしたが、それだけでも「大量」と言えるのが、ニュートリノの扱いにくいところです。
この11個のニュートリノは、大マゼラン星雲で起きた超新星爆発によって生じたものでした。この新星爆発は、銀河全体よりも明るくなるほどに光を放ちましたが、その光のエネルギーは、爆発によって生じたエネルギーの1%にすぎません。爆発で出たエネルギーの99%を占めていたのがニュートリノです。
この功績によって、小柴氏はノーベル賞を受賞しました。
ちなみに、爆発した超新星は地球から16万光年も離れています。したがって、高速で進むニュートリノも、16万年かけてカミオカンデにたどり着きました。
また、宇宙に存在するニュートリノをすべて集めると、宇宙にある全ての星とほぼ同じ質量になるというのです。
全ての星を集めても、宇宙の全エネルギーの0.5%にしかならず、ニュートリノを加えても、たった1%にしかなりません。
アインシュタインの「E=mc2」(エネルギー=質量×光速2乗)という方程式によって、物質の質量はエネルギーに換算出来ることを示します。ですから、星の質量もエネルギーに換算して比較出来るのです。
星やガスなど宇宙にあるすべての原子をかき集めても、全エネルギーの4.4%程度にしかなりません。
20世紀には、「万物は原子からできている」と習ったが、しかし実は、「原子以外のもの」が、宇宙の約96%を占めているーそれがわかっったのは、2003年のことでした。
ダークマター
原子でない96%は、一体なんなのかわかっていません。でも、名前だけはついています。その一つが、暗黒物質(ダークマター)と呼ばれるものです。
正体は不明でも、それが「ある」ことはわかっている。
太陽系をここに引き止めている重力、それが暗黒物質です。暗黒物質は宇宙全体に偏在しており、それが宇宙全体の全エネルギーに占める割合は、約23%、原子のおよそ5倍です。
宇宙が膨張するにつれて、その密度が薄まるのです。
ダークエネルギー
原子と暗黒物質を合わせても、まだ、27%。それ以外の73%ーつまり宇宙の大部分ーは、「暗黒エネルギー(ダークエネルギー)」と呼ばれている。その正体はよわかりません。
宇宙という箱がいくら大きくなっても、その密度が薄まることがありません。
宇宙は加速しながら膨張し続けている。
宇宙は、ビッグバンから始まり、137億年かけて現在の大きさまで膨張したことが完全に裏付けされた。この膨張し続けるエネルギーが暗黒エネルギーだと考えられている。その膨張をグイグイ後押する謎のエネルギーが、宇宙の7割以上を占めているのです。
20世紀の終わり頃まで、宇宙はすべて「原子」で説明できると考えられていた。原子には原子核と電子があり、原子核は陽子と中性子で成り立っており、陽子や中性子はクォークという素粒子で出来ているーーー原子の発見から100年かけてここまでわかった。
全ての粒子には性質は同じで電荷だけが反対の「反粒子」が存在し、したがって全ての物質には「反物質」が存在します。ビッグバンの瞬間には、それが物質と同じだけ生まれたはずでした。しかし、現在の宇宙には、自然状態で存在する反物質が見あたりません。これも大きななぞです。
その存在が予言されているものの、、まだ見つかっていない粒子「ヒグス粒子」と呼ばれるものです。
「宇宙にはまだまだ謎がたくさんある!」


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