2009年8月28日金曜日

科学に魅せられて

白川英樹著(ノーベル化学賞を受賞) 2001年1月初版

東京工大卒業、筑波大教授を経て現在は名誉教授。
専攻は高分子化学。
 
2000年10月、「導電性ポリマーの発見と開発」でノーベル化学賞を受賞する。電気を通すプラスチック(ポリアセチレン)の発見である。

ポリアセチレンは炭素と水素だけから成っているプラスチックの一種で、見かけはアルミ箔のようなもので、このままだと半導体である。

 1967年9月より、ペンシルバニア大学で1年の研究をすることになる。その年の11月23日(火)、ポリアセチレンに臭素を加え、四端子法で電気伝導度を測る実験をしていた。フラスコに臭素を一滴加えたところ、伝導度が急激に上がった。
これが電気を通すプラスチックの発見の瞬間でした。

それまでのポリアセチレンは粉末状が限界と言われていたのに、ポリアセチレンの薄い膜を作れたことも、また伝導性を発見したことも、全て、偶然が重なった結果の失敗だったと言う。
いろんなミスが偶然いくつか重なっておきたことらしい。

でも、この失敗を新しい発見として位置づけていく能力が必要だと思います。
この能力のことをserendipity「偶然からものをうまく見つけ出す能力」「捜し求めているわけではないが、偶然のきっかけで、素晴らしい(好ましい)発見をする能力」と言う。

確かにこれは、一つの能力だろうと思います。我々だと、偶然に遭遇しても見過ごしてしまうことが多いと思います。

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